コールセンターBPOは顧客対応のプロ?
コールセンターの仕事は、一般の人から見ると特殊な仕事に感じることがあります。
そのため、十分な経験値のある社員がいない会社は、顧客対応の全てをコールセンターBPOに業務委託することがあります。
専門分野を基幹の業務から切り離して業務委託すること自体は、決して間違いではありません。
『餅は餅屋に』
という言葉があるように、分業特化することで、事業のより強い部分を強化できます。
ですが、
コールセンターBPOは、電話応対のプロ
ノウハウを全部持っている
と、簡単に考えると痛い目に合います。
期待値を明確にしてBPOにアウトソーシングする!
上手にコールセンターBPOへアウトソーシングするためには、期待値を明確にしておく必要があります。
クレームの多い窓口の業務委託であるにも関わらず、普通に地方のオペレーターを採用したりすると、メンタル・ケアが大変です。
都会なら普段から慣れているような、ちょっと強い口調でも、欠勤が目立ち、メンタル・ヘルスが事情で退職に繋がります。
苦情対応の経験がない管理者が配置されていると、小さな苦情も炎上させてしまいます。
逆に高齢者に顧客が多い窓口で、都会的な話し方の人員を集めてしまうと、顧客満足度が下がってしまいます。
日本は小さな国ですが、年齢や性別、出身地や職業によって、話し方やスピード感覚もまちまちです。
どういうお客様層に対して、どういう対応を期待して業務委託をするのか?
それをコミュニケーションせずに、
「プロだから、どんなお客様でも対応できるんだろう」
などと思って丸投げすると、会社の評判が下がってしまいます。
基本的な採用基準さえ曖昧なBPOも・・・
さらに、最悪なのは、基本的な採用基準さえないBPO社もあります。
IT系のコールセンター業務なのに、パソコンの入力スキル・チェックすらしていない。
VIPが顧客に多いコールセンターなのに、標準語で話せるかどうかのチェックもしていない。
バイリンガルが必要なコールセンターで、外国人を採用していて、日本語が怪しい…
業務を委託する前に、どういう基準で、どのような人員を採用してほしいのか、文書で明確にしておきましょう。
コールセンターBPO社に
「採用基準を教えてください。」
と、依頼してもいいですが、提出される採用基準は、
『絵に描いた餅』
であることが多いのも把握しておきましょう。
出てきた採用基準が、しっかりびっしり書かれているものこそ、要注意。
それを全部網羅していると思わない方がいいです。
できれば、採用基準のリストの中から、絶対外せない条件と多少妥協できる条件は何かを明確にした方がいいでしょう。
最初は、仕事を獲得するために、大風呂敷を広げますが、だんだん採用が苦しくなると、BPO社は採用基準を勝手に緩めていきます。
気づいたら、
「こんなはずじゃなかった」
ということになりかねません。
できれば、契約書の覚書に、
”採用基準を変更する時には、事前に書面にて合意を得る”
などの一文を入れておくと良いですね。
基本のトレーニングは、オブザーブを!
コミュニケーションの基礎トレーニングや、アウトバウンドであれば、セールスの基礎研修なども、できればオブザーブ(見学)できるように申し出ましょう。
中には、何年も更新されていない基礎トレーニングをそのまま使っていて、全く時世に合わないことも多々あります。
クライアントがオブザーブするような機会があれば、慌てて更新や見直しをするのが現状です。
BPO社のレベルアップのためにも、トレーニングのオブザーブは、契約段階で必須にしておいた方がいいですね。
あまりにも、品質に問題を感じた時に、トレーニングのオブザーブを強く申し入れて、何とか実現させたことがあるのですが、あまりにもひどいトレーニングだったことがあります。
まるで、単なる業務引継ぎのような説明の仕方で、
「いつ、トレーニング始まるのだろう?」
と、まじめに思ったことがあります。
コールセンターBPOは、別の組織部門と考える!
コールセンターBPOへの業務委託は、他社というより、自分のマネージメント範囲に新たな別組織ができたと考えた方がいいでしょう。
勝手に結果を出してくれる部下がいたら最高ですが、そんな奇跡はなかなかありません。
やはり、コミュニケーションと指導・指揮、監督が必要です。
目を離すと、大変なことになりますので、しっかりマネージメントしましょう。