
コールセンターにはプロの知識が必要?
顧客対応を実際にやったことがない人や、商品開発などの部門にいる人から見ると、コールセンターの運営は、特殊なスキルに見えるでしょう。
何かにつけ、
「コールセンターのプロではないので・・・。」
という人もいます。
ですが、コールセンターを全く知らず、どうやってビジネスをするのか?
と、私は思っています。
確かに、一部、素人にはわからないコールセンター独特のシステム構成や数値管理があるのは事実です。
ですが、平たく言うと、
『お客様は何を求めていて、何を回答するのか?』
ということにつきます。
別部署のメンバーと話していると、
「プロじゃないので、FAQは作れない。」
「プロじゃないので、お客様が何を聞かれるのか想像できない。」
という人がいます。
全く、プロである必要ないですよね。
プロでないことが原因ではなく、想像力の欠如が原因。
想像力の欠如のままでは、どんな仕事でも躓きます。
コールセンターBPOへの丸投げアウトソーシング!
想像力の欠如は、そのまま事業全体への戦略・立案・実行に大きく影響してしまいます。
その状態のままで、コールセンターの業務を
『プロにまかせよう!』
と、コールセンターBPOに丸投げしてしまう企業が多いのです。
『プロに任せたから大丈夫!』
は、幻想です。
BPO側からすると、コールセンター素人集団の企業は、”カモ”ですね。
実際に、ぼったくられていた素人集団の企業に立て直しで私が行くと、私が来ただけでビビッてしまうBPOの担当者がいます。
最初に、
「お手柔らかにお願いします。」
と、言われます。
何をお手柔らかにお願いされたのか意味不明です。
やましいことがなければ、最初にそんな言葉が出ませんよね。
コールセンターBPOと好条件で取引するには?
コールセンターBPOにぼったくられやすい企業とは、どういう企業でしょうか?
リーズナブルな金額で、良いオペレーションを実現するには、どういうことが重要でしょうか?
RFPの内容
まずは、RFPが作成できる企業かどうか?
です。
※RFPの詳しい説明は、こちら。
RFPの内容を見ると、コールセンターの運営に長けている人がいるかどうか、BPO側はわかります。
あまりにも、コールセンター運営を理解していないと、見積もり金額が高くなります。
これは、ぼったくりだけではなく、リスクヘッジという考え方としてもありなのです。
コールセンター運営事情を理解していない企業ですと、BPO社に無理難題を押し付ける場合があります。
それも、悪気はなくです。
そんな時に、既に人を抱えて業務が始まっていると、利益を圧迫しても合意せざるを得ない場面が出てきます。
そんな時のために、ある程度バッファーを持たせておくということは、BPO社も健全な事業運営をするために必要ではあります。
コンペの状況
BPO社に見積もり依頼をすると、必ず、
「当社を入れて何社のコンペですか?」
と、聞いてきます。
その時に、適切な数のコンペでないと、足元を見られます。
4-5社くらいが、BPO社がやる気になる適正な数です。
10社コンペ等をやる会社もありますが、大規模のコールセンターで最終的に3社発注するなら10社もありです。
まずは、1社発注であれば、コンペに呼ぶ前の段階である程度精査しておく方が良いですね。
企業規模も、大手2社と中堅どころ3社などが良いです。
「何社コンペですか?」
と聞かれたときに、
「御社を入れて5社です。大手複数社と中堅どころも複数社声かけしています。」
と、話すと、大手と中堅の両方を意識した提案になるので、値段を吊り上げにくくなります。
見積もりから中長期的なコスト・シミュレーションが必要!
事業者側から条件を言わない限り、BPO社は、『時間課金』での見積もりを出してきます。
『ブース数 x 稼働時間 x 単価』
による見積もりです。
4ー5社コンペすると、少しずつ違う形態で費用見積もりが出てきて、比較が難しい場合もあります。
例えば、
- ブースの使用料は別請求の場合
- システムの利用は、アカウントごとにライセンス料金が別の場合
- 最初にオペレーション準備費用が請求される場合
のように、各社違う形で見積もりが出てくるからです。
事業拡張規模を鑑みて、発注者側が中長期的なコスト・シミュレーションをしっかり実施することが必要です。
成果報酬またはペナルティーを入れる
そして、できれば、成果報酬型の支払い体系またはペナルティー制度を入れておく方がいいでしょう。
ベース支払い(時間課金の部分)+ 成果報酬支払
または、
ベース支払い(時間課金の部分)ー KPI未達の場合のマイナス請求
が理想。
成果報酬型は、セールス系のアウトバウンドセンターにおすすめです。
オペレーターの人件費やインフラをカバーするためのベース支払いの上で、セールス結果に対してプラスを支払うという体系です。
成果を出せば、発注者の事業側もBPO社側も儲かる仕組みですね。
KPI未達のマイナス請求は、テクサポやカスタマーサービス系のインバウンドセンターにおすすめです。
AHT(=Average Handling Time)のKPIを著しく未達の場合は、全体の支払いからマイナス5-15%などの条件をつけておくと、だらだらと無駄な仕事をすることを防止できます。
選定プロセスが品質を生む
選定プロセスがしっかりしていると、
「このクライアントは、あなどれない!」
という意識が埋め込まれますので、BPO社は採用や人選も力を入れます。
できるだけ、良い人材を管理者・オペレーターともに集めるので、オペレーション・ミスや事故のリスクを最初から軽減できるのです。
最初に素人だと思われると、ぼったくられた上に、スキルの低い人をアサインされますので要注意です。