BPOにアウトソーシングして失敗する外資系企業コールセンター

スタートアップ外資系企業コールセンターの実情

アマゾンのように、日本に上陸して長年の実績がある外資系企業では、自社のコールセンターを持っていますが、日本に上陸して間もないスタートアップの外資系では、大手BPO社にアウトソーシングするところが多いです。

スタートアップ企業のお手伝いを何度かした経験がありますが、まだ日本の市場でネームバリューがない企業が、日本人のスタッフを潤沢に採用するのはとても困難です。

外資系企業がつまづく原因1=言葉の壁

まずは、『言葉の壁!』

世界共通語に近い英語を話せる人の割合がこんなに少ない先進国は珍しいです。

スタートアップの企業にすると、初期のメンバーには英語が必須。

そして、コールセンターの経験x英語で、かつマネージメントやスタートアップの経験者を探すとなると、ぴったりの予算でちょうど良い人を探すのに6カ月~10カ月ほどかかるのが現実です。

※ 参考コンテンツ;コールセンター X英語力で稼げる!生涯年収で1億円得する!

外資系企業がつまづく原因2=時間の読みのあまさ

そして、『つい後回し!』

コールセンターの準備は、どうしても後回しになりやすいのです。

コールセンターは、準備に時間がかかりますが、ビジネス側からすると、実際に商品やサービスを世に出した後から仕事が始まるようなイメージしか持てず、

「まだ先でいい」

「コールセンターの準備までは、時間がある。」

と、勘違いしがちです。

実際に、

「あと、1カ月半でローンチ予定なんです!」

となってから、コールセンターの準備を始めようとする企業さえあります。

コールセンターの体制や人員募集はもちろん間に合いませんが、そもそも、新規電話回線さえ間に合いません。

現状(2020年時点)、新規で専用線をひいたり、フリーダイアルの番号を取るには、最低でも2か月かかるのが今の日本です。

外資系企業がつまづく原因3=カルチャー理解の不足

最後に、日本人特有な

『カルチャー理解への不足』

です。

海外でどんなにネームバリューがあったとしても、優秀な人材を集めるのは、他の国ほど簡単ではありません。

日本人は、まだまだ保守的なのです。

今いる会社に不満もないのに、転職しようとは考えないです。

安定的な企業にいる人ならなおさら・・・。

すぐに撤退するかもしれない外資系企業に飛び込もうという勇気のある人は、他のアジア諸国に比べて多くないです。

そのため、転職エージェントがこんなに大流行りするのも日本くらいです。

アメリカでは、このような転職エージェントは、ほとんど存在せず、転職市場ではLinkedInなどのSNSサイトや企業ホームページの採用サイトから直接応募する形がほとんど。

海外の認識で日本のマーケットに来ると、人の採用にコストと時間がかかることに驚くでしょう。

あらゆる面で、日本が特殊なマーケットであることを気づかされる最初の一歩ですね。

とりあえずBPOにアウトソーシング!

ということで、外資系企業のコールセンター部門は、

まずはBPOにアウトソーシングすることから始めよう!

となります。

ここでも大きな勘違いとして、

「大手のBPOに任せれば、ノウハウがあるだろう!」

という頭があり、失敗します。

そして、大手BPO社に、日本はこういうもんです!

的なBPO社に都合の良いことを刷り込まれて、法外な条件で契約します。

採用される人材の規定も設けずに丸投げしてしまうので、品質が全く担保されません。

評判が悪い外資系コールセンターの立て直しを依頼されることが何度かあり、

「あ、また、ぼったくられましたね。」

と思う企業が結構あります。

ですが、基本ができていないだけなので、立て直しはとても簡単です。

オペレーションの規模にもよりますが、4カ月もあれば V字回復します。

ブランディングにダメージを与えるコールセンターBPO

まずいままのコールセンター・オペレーション。

日本の社会では、BPO社へのアウトソーシングという流れを一般的に知られていません。

そのため、一般のお客様は、その企業のコールセンターと話していると思っています。

「△△社のサポートセンターはひどいよ!」

とか、いう一般の人の話を聞いて、

「あ、外資系だから、専門のBPO社にアウトソーシングしてるからでしょ。」

というと、

「そうなんですか?自社の社員じゃないの?だからかぁ~。」

という反応が一般的です。

つまり、その会社の商品やサービスは気に入っているけど、顧客サポートが全くなってないと感じているわけです。

コールセンターBPOに求めるスキルを明確に!

問題は、『丸投げ』です!

アウトソーシングしたコールセンターが、健全に稼働しているかどうか?

それをきちんと測定するためのメトリクスが必要です。

メトリクスを設定するためには、コールセンターのあるべき姿であるゴールや顧客サービス観点からのビジョンが明確になっていなければなりません。

その点があやふやでは、BPO社としてもクライアント企業が求めているアウトプットが理解できず、費用対効果の出るサービスが提供できません。

目的明確化がとても重要です。

BPO選定に関するノウハウは、

コールセンターBPOあれこれ

のページも参照ください。

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