
SOPって、何ですか?
コールセンターの運営に欠かせない”SOP”!
SOPとは、
S = Standard = 標準の
O = Operating = 業務
P = Procedures = 手順書
の意味で、『標準業務手順書』という意味です。
コールセンターのみならず、工場の生産プロセスや商品の品質検査プロセスなどにも用いられます。
昨今の複雑化したコールセンターのオペレーションでは、このSOPが重要視されるようになってきました。
コールセンターでSOPが重要視されてきた理由
コールセンターで、SOPの設定が重要視されてきた背景には、どういうことがあるのでしょうか?
主には、下記のようなことが考えられます。
- 個人情報保護に対する法律が厳しくなった。
- コンプライアンスに対する世の中の意識が向上。
- ちょっとしたことでSNSで、騒がれやすくなった。⇒ 風評被害
- 商品やサービスの複雑化で、案内ミスが起こりやすくなっている。
- 離職率が高く、業務の流れを明文化する必要性が増した。
- 苦情などのエスカレーションに迅速な対応を求められるようになった。
このような背景から、SOPを設定して、ミスの少ないオペレーションを目指す動きが主流となってきています。
特に、外資系企業では、大きなクレームや問題が起こると、二言目には、
「SOPは、どうなっていたんだ?」
「SOPによると、どういうルールなの?」
という話になりがちです。
コールセンターにもたらされる SOP信仰による弊害
とは言え、SOPに頼りすぎる『SOP信仰』も、あらゆる問題を引き起こします。
ある大手BPOに業務委託をしていた事業で、お客様の気持ちに沿わない冷たい対応があり、大きなクレームに発展したことがありました。
「どうしてこういう対応になったのか?」
という質問に対し、そのBPO社のマネージャーが、
「私たちは、SOPに従って処理をしたまでです。違う対応をご希望でしたら、SOPの見直しをお願いします。」
と言われ、啞然としたことがあります。
こういう業務責任者とは、誰も仕事をしたくないですよね。
コールセンターで SOPより大切なものは?
SOPは重要な手順書です。
ですが、人がそこに介在する以上、手順書ではカバーしきれない事象が起こるわけです。
最終的には、
『人としてどうなの?』
ということが感じられない人がコールセンターのマネージメントをすると、
”人材がいつかない”
⇓
”クレームが絶えない”
⇓
”残業ばかりになる”
⇓
”さらに人が辞めていく・・・”
という悪循環が続きます。
SOP の見直しで、コールセンターは劇的に改善する!
結局、SOPは人が作ったものです。
至らない点や穴があって当然です。
完璧なSOPなど存在しません。
SOPをバイブルと勘違いしないことです。
そして、SOPは、定期的に見直しをかけましょう。
更に、見直しは、コンサルなどを入れて第三者の目で見てもらうことがおすすめです。
普段、そのSOPで業務を回している人が、客観的にレビューをして改善策を考えるのは困難です。
自分が作ったものの間違い探しは、どんな人にとっても難しいもの。
複雑なプロセスを簡素化するには、その業務にどっぷり漬かっていない人の方が良いでしょう。
やめることリストの大切さ!
コールセンターの管理職を指導するときに、よく言うことが、
「やめることリストを作りましょう!」
です。
やることリスト(=To Do List)を作ってタスク管理ができる人は数多くいますが、やめることリストを作れる人はなかなかいません。
実は、この『辞める』ことを決めることがコールセンターには重要なのです。
チーム・ビルディングのミーティングでは、
やりたいこと
と
やめたいこと
をみんなでブレストします。
やりたいことは、すんなり出てくるのに、やめたいことは、なかなか出てきません。
『やめること』に目を向けた時、初めてSOPがシンプル化されて、業務の流れがスムーズになります。
そして、
”SOPがシンプルになる”
⇓
”仕事が楽しくなる”
⇓
”人の定着率が良くなる”
⇓
”コストが削減できる”
という好循環がスタートするのです!