オムニチャネルとは?コールセンターが果たす役割は?

オムニチャネルって何ですか?

本屋さんに行くと、マーケティング関連の雑誌や書籍に、

『オムニチャネル時代の・・・』

などのように、オムニチャネルという言葉をよく見かけます。

「コールセンターでもオムニチャネル時代に対応して、戦略を考えよう!」

みたいな話も耳にします。

話している人も、あまりオムニチャネルを理解していない人さえいます。

英語としては、この『オムニ』に当たる部分は、『すべての〇〇』みたいに複数のものを1か所に集めていくような意味合いを持つ言葉です。

ですので、オムニチャネルというのは、

”色々なチャネルを1つに集めよう!”

みたいなものだと考えてください。

昨今の消費者活動では、企業との接点がマルチ化していますね。

ウェブだったり、アプリだったり、口コミサイトやSNS、実店舗、コールセンターと様々です。

このように、1人のお客様が様々な方法で、自社の商品やサービスに触れる機会を持ちます。

これらを統合して一元管理することで、お客様の体験をどの時点でも最高のCX(=カスタマー・エクスペリエンス・顧客体験)にしていこうという動きです。

これが、オムニチャネルを活用して、お客様のロイヤリティーを高めていくということです。

コールセンターで誤解されやすいマルチ・チャネルとの違い

良く、コールセンターで言われる『マルチ・チャネル』と『オムニチャネル』がごちゃごちゃになってしまっていることがあります。

マルチ・チャネルとは、電話のみの応対ではなく、Eメールやチャット、メッセンジャーなど、お客様がコールセンターにコンタクトしてこれる手段(=チャネル)を複数持つことを指します。

マルチ・チャネルは、それぞれが独立している手段です。

それに対して、『オムニチャネル』は、オンラインもオフラインもお客様との接点やコンタクトを一元管理してシームレスな体験を作ることを指します。

少し前に話題にもなりましたが、最近の若者向けブランド服の店舗が試着室と化しているという話がありました。

自分が気に入っているブランドの洋服屋さんで、サイズや色などの試着をするが、その場では購入せず、後で自宅からネットで安く購入するということです。

これもオムニチャネル戦略の一環です。

オフラインとオンラインがうまく手を取り合って、お客様を自社商品のファンにしていくことが可能になるわけです。

以前は、実店舗での集客情報とネット上での集客情報がバラバラでしたが、徐々にこれを統合して、よりよい顧客体験を実現しようとする施策がオムニチャネルへの対応ということです。

オムニチャネルで成果を出す難しさ

ですが、日本の企業で、オムニチャネルへの対応が成功しているところはまだ少ないです。

オムニチャネルという時代に対応して、顧客満足度を向上するには、企業組織内で部署を横断したプロジェクトを組む必要があるからです。

顧客接点の多いコールセンター以外にも、商品のデザインを考える企画部や、ブランディングを考えるマーケティング部、ツールの選定や導入を実行するシステム部、店舗運営を実行するオペレーション部など、さまざまな部署の人たちが競技して決定していく必要があるんですね。

日本の企業は、このような部署横断的な動きやプロジェクトがあまり得意ではありません。

強いリーダーシップが必要となるのですが、人材が少ないのが実情です。

コールセンター経験者に求められるリーダーシップ

その中でも、コールセンターは最もお客様の声に近い部署。

コールセンターの経験者がリーダーシップをとることで、本当にお客様に喜ばれるサービス体制やオムニチャネル体制が可能になります。

コールセンターのリーダーが、現場をいかにうまく回せるか?

ということだけを考えて実行する時代は、終わろうとしています。

単なるコストセンターとしての位置づけでは、コールセンターとしての価値がなくなりつつあります。

いかに、コールセンターの経験者が率先して、会社全体に付加価値を与える提案を実行していけるか?

未来のコールセンターという仕事は、そういう力が求められています。

コールセンター出身者が、組織横断のプロジェクトのリーダーシップをとることで、企業の勝算が見えてくるというわけです。

新しい投稿をお知らせします。
こちらからご登録ください。