
2020年4月スタートの『同一労働・同一賃金』
2020年4月からスタートする、厚生労働省の『同一労働・同一賃金』の制度。
コールセンターのみならず、全業種が対象ですが、
非正規雇用が多いコールセンター事業では、社内のルールや業務の見直しが起こってきています。
雇用の現場としては、どんなことが起こって、働き手にとってはどんなメリットがあるのでしょうか?
非正規社員の多いコールセンターは、職場選択としてはどうなんでしょうか?
コールセンターの非正規社員は、どれくらい収入アップ?
コールセンターの『同一労働・同一賃金』に関しては、地域ごとに・職種ごとに時給のガイドラインが設けられるようです。
つまり、東京なのか、地方なのか?
東京の中でも、どの地域なのか?
によって、その地域の平均的な時給などを考慮して、最低でも〇〇円のような具合です。
さらに、派遣社員や契約社員の場合は、交通費を支給していないコールセンターも多かったのですが、正社員に交通費を支給している場合は、非正規社員にも交通費を支給しなければいけなくなります。
また、正社員に退職金が出ている場合は、派遣社員も退職金制度が適用されます。
そして、何より大きいのは、能力、成果、意欲、経験などに向上があった場合、正社員と同等の評価指数に基づき昇給することです。
首都圏であれば、交通費が支払われるだけで、平均的に時給が100円アップします。
月に160時間働くフルタイムの非正規社員であれば、月に16,000円もアップするわけです。
大きいですよね。
正社員のやるべき仕事を任されやすいコールセンター
企業の他の部門とは違い、コールセンターの仕事は、正社員の仕事を代行することが多いです。
慢性的に人手不足のため、非正規社員の中でも優秀な人や意欲の高い人がいると、正社員の仕事を任されて実施する場合が多いです。
コールセンターBPO社などでは、クライアント対応まで非正規社員がまかなっている事もあります。
それ以外にも、本来、正社員がすべき仕事である、
- レポート作成
- 架電戦略・立案
- オペレーターのトレーニング
- クレーム対応
- セキュリティー管理
などの仕事を非正規社員で回している会社もあります。
※ 【参考】 コールセンターの正社員の仕事とは?
正社員と非正規社員の垣根がなくなる?
そもそも仕事内容として、正社員と非正規社員の間に大きな壁があったわけではないのが、コールセンターの実情。
その報酬に垣根がなくなる
ということは、本来あるべき公平な状況になるということです。
むしろ、能力があれば、正社員にこだわらず、非正規社員で自分に合ったより良い職場を探す方が、精神衛生上もいいですよね。
正社員で入社してしまうと、後で、とんでもないブラック企業だとわかっても、なかなか転職の踏ん切りがつきません。
優秀な人材を確保するためには、企業側も職場環境を健全に整えないと成り立たないということです。
『同一労働・同一賃金』が及ぼすマイナス影響!
働く人にとって、職場環境が改善されることは間違いないのですが、マイナスの影響もあることを押さえておきましょう。
リスクその① 人員削減
一人一人のコストがアップするということは、事業内容によっては、かなりの経営リスクを伴う場合があります。
特に、大規模なコールセンターを抱えている企業では、一気にコストアップとなるため、『人員削減』を模索します。
あなたが、それなりに活躍していれば、リストラ対象になりにくいでしょうが、誰でもできる作業系の仕事を担当していると、その仕事は、一気に自動化の方向性に進むでしょう。
現在、RPAやAIを提供している企業の営業マンは、引っ張りだこです。
リスクその② プログラムの終了
コールセンターBPO社で働いている場合は、その業務の発注自体が終了する可能性もあります。
コスト削減が目的で業務アウトソーシングをしていた場合、自社で運営するのとコストが変わらないなら、
インハウスの社員や契約社員で仕事を巻き取ろう
という動きになります。
せっかく業務の流れや商品知識を覚えて慣れていた仕事なのに、急になくなる!
というお達しが来るかもしれません。
新たに別の業務にアサインされると、また、一から業務を覚えなおす必要があります。
新たな知識を覚えられる!
と前向きに取り組める内容であれば良いですが、急に業務がなくなった場合は、無理くりの業務アサインとなることも多々あります。
自分の特性や進みたい方向性に合わない仕事に配属される可能性もあります。
『同一労働・同一賃金』をチャンスとして活かすために!
上記のようなチャンスとリスクを鑑み、コールセンターで働く人、または働こうと考えている人が、この『同一労働・同一賃金』制度をチャンスとして活かすためには、どうするべきか?
について、まとめてみました。
- 誰もができる反復作業から脱却する。
- 自分の得意を活かしたスキルが何かを明確にする。
- 正社員の仕事の中で、自分が代行できそうな仕事を考える。
- 既に正社員の仕事を代行しているなら、その価値がどの程度か説明できるようにしておく。
- 柔軟に動けるように、知識やスキルの幅を広げておく。
コールセンターでのキャリア・アップには、あらゆる選択肢があります。
のページでいくつか紹介していますので、そちらを参考にしてください。