
『話す』より『書く』スキルの需要がアップ!
コロナウィルスの発生・・・
緊急事態宣言・・・
により、急に慣れないテレワークを始めている人が多くいます。
今まで、ちょっと隣の席の人に聞いて確認すればよかったことも、遠隔でのコミュニケーションとなったことで、メールやチャットでの会話が多くなりました。
コールセンターでも、今回のトレンドが始まる少し前から、電話よりもEメールやチャットでの問合せが増える傾向にありました。
一昔前までは、”コールセンター”と言えば、
『話し上手な人』
というイメージがありましたが、今後はそうでもない方向性に進んでいくと思います。
今までよりも、
『文書によるコミュニケーション』が求められてきます。
つまり、いかに効果的かつ効率的に文書作成ができるか?
という、スキルが大事になるわけです。
言葉遣いよりもわかりやすさ!
効率的にEメールやチャットのコミュニケーションを行う上で、コールセンターでは文書のテンプレを作成します。
ベテランのオペレーターや、トレーナー、SVなどが作成するコールセンターもありますが、先進的なコールセンターでは、『ナレッジ・マネージャー』や『コンテンツ・マネージャー』と呼ばれる専門の部隊があったりもします。
今まで見てきたコールセンターで、このEメールテンプレの質が合格点だったことがほとんどありません。
コールセンターのプロと言われるコールセンターBPO社においても、大抵の場合、通常のビジネス・レターに近いテンプレートになっています。
つまり、
「いつも弊社サービスをご利用いただき、ありがとうございます。○○様を担当させていただきます田中と申します。よろしくお願いいたします。」
「この度は、弊社商品の利用方法がわかりづらく、○○様にはご不便をおかけしていて誠に申し訳ございません。お問合せいただいた□□の機能の利用方法について、ご案内させていただきます。」
などの枕詞が、最初に何行も出てきます。
昨今では、一般ユーザーは、モバイル端末でのアクセスが圧倒的に多いです。
お客様が知りたい内容の答えに行き着くまでに、モバイルだと2-3回スクロールする必要があったりします。
残念ながら、受け取り側の状況や印象を考慮して作られているEメールテンプレは少ないのが現実です。
言葉遣いに注力しすぎて、本来あるべき『お客様は何を求めているか?』という視点が欠落しているのです。
外資系コールセンターではさらに複雑化する傾向に・・・!
そして、更に外資系コールセンターのEメールテンプレは、複雑化し長くなる傾向にあります。
それは、元々のテンプレが、英語圏の本社から来る英語を日本語に翻訳するからです。
言葉は文化に紐づきます。
英語をそのまま翻訳すると、日本人の感覚的には馴れ馴れしい気がしてしまい、枕詞をどんどん追加してしまいます。
また、外資系IT企業のブランド・イメージからかけ離れた翻訳になってしまうことも多々あります。
日本語は『読む』言語ではなく、『見る』言語。
そして、大事なポイントは、英語と日本語の言語としての大きな違いです。
英語は、26文字のアルファベットでのみ成り立っていて、基本的には『読む』または『聞く』言語なのです。
ですが、日本語は、漢字・ひらかな・カタカナという3つのタイプの文字種類を混合して利用しています。
更に、漢字の多くは、象形文字から来ており、その物の形から入って文字を作っているわけです。
そのため、日本人は、日本語を読んでいるようで、読んでいません。
『絵を見て、理解している』
と考える方が近いのです。
そのため、長文のメッセージが来ると、自分の知りたい情報がどこにあるのか、キーワードの”絵”を目が探しに行くのです。
日本語は、”絵を見ている”と認識すると、どのようなテンプレを作れば、より便利でわかりやすいか?
ということが理解できます。
余計な挨拶や枕詞は、1~2行に抑えて、速やかに本題に入っている方が助かるわけです。
文字数を少なくして、コールセンターの品質をアップする!
Eメールのテンプレは、できるだけ”文字数”を少なくすることが重要です。
例えば、
- 『お願い申し上げます。』⇒『お願いします。』
- 『お忙しい中、大変お手数ではございますが・・・』⇒『お手数ですが、』
- 『アプリ内のセルフサービス・ボタンより、簡単にご自身で設定変更をしていただくことが可能です。』⇒『ご自身で設定可能なアプリ内のセルフサービス・ボタンが便利です。』
ちょっとしたことですが、ピンクでマーカーした文書だと、読まずに『見る』だけで理解が可能です。
結果として、
”わかりやすい回答”
という印象を受け、顧客満足度がアップするわけです。
長い文書は、労が多くて益が少ないです。
Simple is Best!
は、どんなビジネスでも通用する黄金ルールです。