
データドリブンって?
マーケティングの分野で良く耳にする『データドリブン』という言葉。
外資系企業やIT企業では、すでに一般的な言葉になっています。
本屋さんにいくと、データドリブン・マーケティングに関する本が多くなってきました。
この『データドリブン』、英語で書くと、Data Drivenとなり、
データを元にした物事の道筋をドライブしていく
みたいなイメージだと思うとわかりやすいですね。
つまり、データを元にして、ビジネス上、営業上、経営上、どういうアクションが必要か?
どういう改善が可能か?
どんなビジネスチャンスがあるのか?
という舵取りをしていくことをデータドリブンと言います。
コールセンターにおけるデータドリブン
データドリブンは、主にマーケティング用語として活用されていますが、昨今のコールセンター運営においてもデータドリブンは、とても重要です。
「〇〇なお客様が多い!」
「△△という厳しいご意見をいただく」
などの、現場やオペレーターの声も、それはそれで重要なのですが、
”人の感じ方”
というのは、ブレがあります。
そのようなVOC(=Voice of Customer)には、耳を傾けつつも、数値としてどの程度のことであるのか?
という、精査も大切です。
コールセンターは、ソフト面とハード面の両方をバランスよく解釈する必要があります。
お客様の声を集める
⇓
何が問題かを感じる
⇓
どの程度のビジネスインパクトがあるのか仮説する
⇓
仮説が正しいかどうかを分析する
⇓
仮説を裏付けるデータを集め、データから改善策を策定する
ここの最後の部分がデータドリブンの一部となります。
データをさらに深堀りすることで価値創造を!
さらに、ここで終わってしまうと、「なんちゃってデータドリブン」で終わってしまいます。
更なるデータ・ドリブンは、策定した改善策を実施する場合のインパクトまでを数値化できるかどうかです。
- その解決策は、実施可能かどうか?=フィジビリティ(実現可能性)の確認
- 他部門へのビジネス・インパクトの可能性とインパクトの数値化
- 実現するために必要なリソースとそのコスト
- 最終的なROI(=Return On Investment)= 投資対効果
上記のような点にまで踏み込んで深堀し、それを数値化・データ化した資料を作成することで、社内外に対して、説得力のあるコールセンターとなることができるのです。
社内におけるコールセンターの位置づけに変革を起こし、より良い人材をコールセンターで輩出できるようになりたいものです。
見落としがちなデータドリブンのデメリット
とは言え、すべてがデータドリブンであれば、コールセンターとしての仕事がOKというわけではありません。
データドリブンの考え方は、大きな投資対効果を目指したり、コールセンターの効率化を実施する上では、大きな役割を担ってくれます。
しかしながら、『数』として大きなインパクトがなくても、見逃してはならない重要なインシデントがあるのもコールセンターです。
極わずかなお客様の声であっても、とても重要度が高いということもあります。
そんな小さなVOCが、放置されることで大きな問題に発展する場合があります。
下手をすると、経営層が謝罪会見をするようなことにも発展しかねません。
コールセンターは、そのような大きな問題に発展するかもしれない小さな芽をピックアップすることも重要なのです。
リスクだけをとらえると、ちょっと怖い気もしますが、リスクだけではなく、ちょっとした一人のお客様の声が、ビジネス・アイデアのチャンスになることもあります。
過去に、お客様の声からヒントを得て、ヒット商品の提案をしたことがあります。
その商品は、私が最初に提案して作った収益シミュレーションの何倍も反響を呼び、自分でも驚いたことがあります。
データという数字の世界からストーリーの世界へ
このようなことは、データという膨大な数字からだけでは、なかなか拾えません。
ただし、入り口はデータで良いのです。
データを見た時に、課題感やピンとくることを見逃さないことなのです。
「あれ?この数値は?」
と思ったことから、お客様の声を拾い、数値から多くのストーリーを想像できる力があるかどうか?
数字をそのまま数字で見せることは、大した能力を要求しません。
数字からどんなストーリーを思いつき、想像し、仮説を立てられるか?
データに振り回されるのではなく、データを制する力を養いましょう。