コールセンターにおけるトンマナ(トーン&マナー)とは?

コールセンターのトンマナとは?

トンマナとは、

『トーン&マナー』の略で、マーケティング、ブランディング、コールセンターなどの領域で良く使われる言葉です。

コールセンターにおけるトンマナは、品質の担保や顧客満足の向上に重要な役割をします。

にもかかわらず、トンマナの整理は後回し、後手になっているコールセンターは意外に多いです。

特に外資系企業の場合は、英語や他の言語から日本語に翻訳して使用しているマニュアルやスクリプトが多いため、翻訳者が変わると用語やトーンが一定に保てないことが多々あります。

アマゾンのように、日本に上陸して長い年月が経過している企業では、トンマナの重要性や整備がしっかりしています。

日本語のように、漢字、ひらがな、カタカナの3種類の表記がある言語は世界を見てもほとんどありません。

同じ意味・表記でもいくつも表記方法があるのです。

例えば、『引っ越し』と『引越』と『引越し』

どれも、正解ですよね。

でも、どういうシチュエーションで、どの表記を使うのか?

というのは、統一する必要があります。

それが、トンマナなんです。

コールセンターにトンマナが大切な理由

コールセンターでは、多くのオペレーターがお客様対応をします。

そのオペレーターの品質を保つために、お電話で話すときのトークスクリプトやメールを返信する時のテンプレートが存在します。

ここで書かれているスクリプトやテンプレは、統一された表記である必要があります。

ブランド・イメージを統一する

コールセンターは、お客様との接点となる大切な窓口です。

その窓口がどんな対応をするのかというイメージは、その企業の顔になりますね。

ブランド・イメージは、扱っている商品やターゲットしている顧客層によって異なります。

そのため、

『これが唯一の正解!』

は、ありません。

唯一の正解は、企業単位で前もって決めていくべきです。

また、コールセンターのトンマナは、マーケティングや広報・PR、SNSなどで発信されるブランド・イメージに沿っている必要があります。

なりすましメールなどによる被害予防!

トンマナを統一することによって、なりすましメールなどの詐欺から企業の大切なお客様を守ることにも繋がります。

普段コミュニケーションのあるお客様であれば、普段購入しているサイトや企業からのメールのトンマナに知らないうちに慣れていきます。

なりすましのメールが来ると、その文面から

「あれ?なんか変だな?」

と気づくきっかけになるのです。

例えは、アマゾンでは、自社のことを『弊社』とは表現しません。

『弊社』って、まったくアマゾンのイメージではないですよね。

オペレーションの効率がアップする

年々、人材不足と費用の高騰に頭を悩ますコールセンター業界では、

”いかにオペレーションを効率よくしていくか?”

ということは、永遠の課題・・・。

意外と思われるでしょうが、トンマナを整備すると効率がアップします。

トンマナが揃っていると、必要なテンプレを探したり、管理者が品質のチェックをするスピードが短縮されます。

漢字、ひらがな、カタカナ混じりの日本語は、『読む』言語ではなく『見る』言語。

日本人は、日本語を読んでいるようで、本当は絵を見ているのと変わらないのです。

そのため、冒頭のあいさつや結びの文章、その他の表記が揃っていると、圧倒的に早く内容を理解できます。

詳しい関連記事は、👇もご覧ください。

コールセンターのEメールは、『読む』ではなく『見る』を意識する!

コールセンターで働く人のロイヤリティーをアップする!

コールセンターで働く人は、サービス精神の旺盛な人が多いです。

誰かの役に立ちたい!

と思っている人が、この仕事を選ぶ傾向にあるんです。

トンマナが揃っているコールセンターは、そこで働く人の帰属意識やモラル感も向上します。

コールセンターの仕事に関わらず、人は基本的に存在意義のある仕事を続けたいと思っているのです。

コールセンターにおけるトンマナの種類

では、コールセンターのトンマナは、どんな種類があって、どんな風に整えていったらいいのでしょうか?

自社の商品やサービスに関連する表記

主に、自社のブランド商品やサービスに関連する表記は、一定の統一が必要です。

『お客様』という言葉一つとっても、商品やサービスによって、

『ユーザー様』

『ご利用者様』

『パートナー様』

『会員様』

『メンバー様』

など、色々ですね。

テンプレやスクリプトで、同じ対象者に対して複数の言い回しがランダムにあるのはNGです。

複数ある場合は、その使い分けを明確にしましょう。

挨拶定型・語尾や言い回し

挨拶定型文・語尾、言い回しについては、どうでしょうか?

色々な言い回しのテンプレが散在しているコールセンターは多いです。

「・・・申し上げます」

「・・・いたします」

「・・・です。ます。」

「・・・でございます。」

どれを使うルールですか?

複数の場合、使い分けが明確にルールづけされていますか?

漢字・ひらがなコンビネーションのルール

日本語の厄介なところは、漢字とひらがなの組み合わせが複数ある表記です。

『問い合わせ』

『問合せ』

『お問い合わせ』

『お問合せ』

このような表記は、ルール化されていますか?

箇条書きの時は、どんな風に?

箇条書きが必要な時は、番号の表記も様々、

1,2,3

1.2.3.

1)2)3)

① ② ③

決まっていますか?

そして、箇条書きの文章は、基本的に用言止めなのか、体言止めなのか?

小学生の国語の時間で習った『用言止め』と『体言止め』。

すっかり忘れてしまっている人が多いですね。

テクノロジー系のコールセンターテンプレでは、システムやアプリの操作の手順を箇条書きにすることが多いです。

用言止めと体言止め、どちらを利用するルールになっていますか?

用言止めの例
  1. アプリを起動してください。
  2. IDとPWDを入力します。
  3. 本人確認のコードを入力してください。
体言止めの例
  1. アプリを起動
  2. IDとPWDを入力
  3. 本人確認のコードを入力

NG用語集

さらに、対外的に使ってはいけないNG用語集はありますか?

つい、社内用語をお客様向けに使ってしまわないように、対外的に使ってはいけない言葉はリスト化しておきましょう。

テンプレに使用しないようにするのはもちろんですが、研修にも盛り込む必要があります。

また、NGの用語には、必ず代わりに使って良い用語も必要ですよ。

トンマナ統一で円滑なオペレーションを!

トンマナが統一できると、とてもスッキリした気分になります。

ルールブックができることで、作業時間の短縮にもつながり、コールセンター運営全体が効率化します。

できれば、事業規模が大きくなり過ぎないうちに、しっかり整えていくことが大事です。

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