アウトバウンドコールセンターのKPIは、インバウンドより複雑!
アウトバウンドコールセンターのKPIは、インバウンドのKPIより複雑かつ論理的な思考が必要です。
俗に
「数字に強い・弱い」
という表現を聞きますが、アウトバウンドセンターで管理職を目指す場合、かなり”数字に強い”必要があります。
インバウンドのKPIは、たくさんありますが、どのKPI指標も効果または効率のどちらかを表す指標です。
C-SatやSLAは、お客様の満足度の指標となる”効果”の指標。
AHTやCPHは、処理時間を表し”効率”の指標です。
※詳しくは、インバウンドコールセンター のKPI①〜④を参照ください。
インバウンドコールセンターのKPIは、それぞれがある程度独立した指標であるのに対して、アウトバウンドコールセンターの指標はお互いの指標が影響し合い、総合して答えを導き出す指標となります。
若干、理系的な要素が強いですね。
そして、アウトバウンドセンターは、主にセールス系ということもあり、営業マインドが必要なことから、インバウンドコールセンターより男性比率が高いのが特徴です。
アウトバウンドセンターの主なKPI
SPC = Sales Per Contact(セールス・パー・コンタクト)
指標として重要視されるKPIにSPC=Sales Per Contact(セールス・パー・コンタクト)があります。
これは、コンタクトしたお客様からどれだけの販売成果が得られたか?
という指標です。
例えば、1日で50人の人と話をして、5件のセールスが上がると、
5件(販売)➗ 50件(コンタクト数) = 0.1 = 10%
となりますので、その日のSPCは、10%という結果です。
販売する商材や顧客単価に応じて、コールセンター事業ごとに目標のKPIとして効果を計測するSPC目標をKPIとして設定することが多いです。
SPH = Sales Per Hour(セールス・パー・アワー)
上記のSPCに対して牽制として見られる指標がSPH=Sales Per Hour(セールス・パー・アワー)です。
これは、1時間あたりに何件売り上げたか?
ということです。
上記のSPCでは、ゆっくりチンタラと仕事をした人は、そもそも母数のコンタクト数が少ないので、頑張って多くの顧客と話をするオペレーターより高い数値が出てしまうことがあり、不公平な結果となり得ます。
そのため、時間あたりに何件販売をあげたか?
という指標を牽制として用いることが必要です。
例えば、5時間で5件販売したAさんと、10時間で5件販売したBさん。
5時間で販売したAさんのSPHは、5件÷5時間なので、1.0件。
10時間で販売したBさんのSPHは、5件÷10時間なので、0.5件。
コールセンターのオペレーターは時間給で支払いがされているので、5時間で5件の販売を獲得したオペレーターの方が、件数だけで見ると2倍の販売効率であるということが言えます。
ただし、商品によっては、顧客単価に大きな差がある場合があります。
もし、Aさんの顧客単価が2000円なのに対し、Bさんの顧客単価がAさんの2倍の4000円であれば、会社としての1時間あたりの売り上げは同じということになります。
会社戦略と密に連携するアウトバウンドコールセンター
このように販売成績のKPIを考えると、アウトバウンドセンターは、会社の経営戦略に深く影響してきます。
企業として、どういう商品やサービスに力を入れ、どの商品群をどれくらい販売したいのか?
によって、コールセンター のセールス・ピープルに対するマネージメント方針が大きく左右されるのです。
単価の安い商品を多く売りたいのか?
それとも、単価の高い商品を一定数販売して、ブランディング・イメージを担保したいのか・・・。
コールセンターでは、多くの人が一斉に稼働します。
最初のKPI設定を間違えると、あっという間にコストが費やされ、赤字プロジェクトになり得ます。
コール戦略が曖昧なまま、テストと称してむやみにアウトバウンドコールを実施し、”失敗”という位置付けで終わらせてしまう企業が多くあります。
商品内容、ターゲット層、コールセンターの規模感、集める人材の要件など、しっかりしたプランがあれば成功したであろうと思われるものが世の中にはたくさんあります。
ダメダメなアウトバウンドセンターでもV字復活!
とは言え、ほとんどのアウトバウンドコールセンターは、プランなく実施されていることがほとんどです。
そして、100人も人を抱えているが、販売が上がらず解雇しないといけない・・・
というようなコールセンターのV字復活を何度もお手伝いしてきました。
ほとんどのダメダメコールセンターでは、このKPIの設定があまく、やり方がわからないということがほとんどです。
一度走り出したら、どんどんコストが燃やされていくのがコールセンター 。
下手なスタートをする前にKPIの設計をプロに相談することが大切です。