コールセンターの品質管理とは?
とかくコールセンターの良し悪しを語る時に、『品質』という言葉が話題に出ます。
コールセンターの『品質』と言っても、その定義や感じ方は人それぞれ!
大抵の場合は、『応対品質』だけを語ることが多いです。
つまり、オペレーターの応対が良かったか悪かったか?
お客様のレビューを確認して、顧客満足度の星の数で品質が上がった・下がったと判断しています。
また、『No – Sat』と言って、全くお客様が満足されなかった=”No Satisfactory” の比率を指標として使うこともあります。
指標としては、顧客満足度指数や不満の比率をKPIとして活用するのは、定量的でわかりやすいですね。
では、その指標を改善するためにはどうしたらいいでしょうか?
それが、品質管理のプログラムということになります。
コールセンター品質管理プログラムとは?
応対品質の管理をするプログラムは、一般的にコールセンターでは『QAプログラム』と言われます。
QA = Quality Assurance の略で、品質を担保するという意味です。
大手のBPOや大手企業のコールセンターでは、応対品質を担保するために『QAチーム』を設置しています。
コールセンターに電話をすると、
「応対品質向上のため、この通話は録音されています。」
というアナウンスが流れるのを聞いたことがある方も多いでしょう。
昨今では、ほとんどのコールセンターで全通話録音されています。
録音された通話は、何かお客様との間でもめた時や、オペレーターの応対品質の確認に使われます。
一般的には、『QAチーム』のメンバーが対話音声を抽出し、音声を聞き起こして品質をチェックします。
品質管理のチェックリストは課題だらけ!
この音声を聞き起こす時に、応対品質のチェック・リストなるものが存在します。
このチェック・リストがくせ者!
今まで、あらゆるコールセンターを見てきましたが、素晴らしいチェック・リストに出会ったことがありません。
大抵のチェック・リストは、机上の空論です。
とかく、コールセンターでは、
「上手な会話」
「きれいな言葉づかい」
を重視しがちです。
自分たちのお客様が何を求めているのか?
ということを忘れがち・・・
自己満足のチェック・リストになるわけです。
自己満足の品質管理。その弊害とは?
自己満足の品質管理は、コールセンター運営全体に多大なるマイナスをもたらします。
どういうマイナスが考えられるかは、以下の通り。
- 多大なる時間(コスト)をかけて、膨大なチェックをする。
- 細かいチェックをされるので、オペレーターは、お客様との対応を臨機応変に実施できない。
- マイナス点ばかり指摘されるので、オペレーターの士気が下がる。
- トレーナーは、QAチェックを気にして研修するため、新人オペレーターのデビューまでに時間がかかる。
実は、品質管理プロセスを見直すだけで、応対品質の向上だけではなく、コストの削減や離職率の改善、新人研修期間の効率化につながることが多いのです。
品質管理プロセスの見直し方法
では、どのように品質管理のプロセスを見直しするのが良いでしょう?
チェックにかかる時間は?
1件あたりにかかる時間を確認してみましょう。
もし、平均15分以上かかるのであれば、不必要な項目があるはず。
本当にその内容はチェックする必要があるか?
ということを確認しましょう。
チェックする人員は正しい?
チェックする人によって、スコアや結果に差が出ていませんか?
そもそも、チェックする人を研修しなければいけないのは、ナンセンスです。
誰がやっても同じ結果になることが好ましいですね。
さらに、チェックする人が実際にその業務において顧客対応をしたことがない人はもってのほかです。
やった事がないことをチェックするのは無理です。
減点オンリーの制度になってない?
ありがちなのが、チェックですべてが減点制になっているプロセスです。
『間違うと減点!』だけでは、やる気がなくなります。
とても良い対応をしたときや、お客様から謝辞があった場合の加点もありますか?
このあたりは、離職率にも大きくかかわります。