AIとRPAをコールセンターに活用?
AI = Artificial Intelligence(人工知能)
と
RPA = Robotic Process Automation(ロボットによる業務効率化)
は、日本社会の人材不足を解消する手段として、昨今話題に上がっています。
日本の深刻な人材不足のなかでも、コールセンターの人材不足はかなりのものです。
さらに、今まで潤沢な人材供給ができていたITエンジニアも2019年にその数のピークを迎え、2020年以降は、供給不足の路線に入っていきます。
2020年以降、急ピッチであらゆる単純作業をデジタル化、オートメーション化、人工知能化していくことが必要になってきました。
そのため、AIやRPAのソフトウェアとその使い方技術を提供できる企業の成長が右肩上がりとなっています。
実際、今、私が抱えている案件で、AI化やRPA化を検討していますが、ソフトウェア供給をしてくれそうな会社の営業マンとアポイントを取るのが難しくなっています。
声をかけて、実際に会うのが1-2週間先になってしまうのです。
それだけ、あらゆる分野でAI化やオートメーション化に注目が来ているということでしょう。
2-3年前とは、様子がかなり違います。
過去のAIとRPAの導入失敗例は?
AIやRPAの技術自体は、4-5年前から日本にも入ってきました。
そして、導入段階で結構失敗しています。
”AI”
”RPA”
などをトレンド・ワード的に捉え、何でも自動でやってくれるすごいツールみたいに勘違いして導入してしまっているケースが多々あったのです。
実際に、無駄なところにAIチャットボットを入れ、お客様の導線が悪くなっていたため、撤廃を勧めた企業もありました。
何を目的にテクノロジーを導入するべきか?
どういう効果が得らえるのか?
という検証が中途半端なまま導入すると、結局、お金と労力を無駄にするだけの徒労に終わってしまいます。
AIとRPAの違いを知ってコールセンターのデジタル化を考えよう!
そもそも、AIとRPAの違いを理解せずに、
「当社もAIだ!」
「RPAを導入しろ!」
というかけ声の経営者には要注意!
デジタル化の波に乗ることを目的としていると失敗します。
そもそもAIとRPAは役割が違います。
RPAは、人が繰り返しやっている作業を自動化することに向いています。
この
”繰り返し”
ということがキーワード。
社内の仕事を洗い出すと、必ず、誰かが、
”繰り返し”
やっている作業を見つけることができます。
RPAは、自分で学習していくことはありません。
プロセスに変更が生じた場合、その変更を人がプログラミングしなおす必要があるのです。
違いを察知する能力が備わっていないのです。
AIの得意分野が、この
”察知する”
能力です。
何か異常が生じたときに察知して、お知らせしてくれる・・・。
そんな機能が欲しい時にAIが活躍します。
コールセンターのCTIでこのAIをお客様の感情認識などに利用し始めているツールがあります。
怒っているお客様が電話口に出られた時に、言葉ではなく、音のトーンやスピードから『怒り』を感知して管理者に伝えるというものです。
RPAとAIの両方を取り扱う企業は少ない!
このRPAとAIの両方のテクノロジーを取り扱う企業はまだ少ないのが現状です。
そのため、偏った業者選択をしていると、本当はRPAの方が効率が良いにも関わらず、自社の製品を販売したいためにAIが万能であるかのごとく営業してくる企業があります。
その逆もしかりで、AIの方が後々良いソリューションであるにも関わらず、RPAで業務改善が進むような提案をしてくる業者もあります。
テクノロジーを導入する側が、
- 明確な導入目的を持つ
- RPAとAIの違いを理解して、両方のテクノロジーを平行検討する
- 業務の詳細を理解し、どこが改善ポイントで人の削減ができるかを考える。
- 人の削減と導入費用のバランスからROIが達成できるか緻密に計算する。
- 目の前の業務改善と長期的視点に立った費用対効果の両方を天秤にかけて判断する。
というようなポイントを外さないようにしましょう。
数少ないですが、AIとRPAのテクノロジーの両方を提案できる企業もあるので、平行して話を聞いて、基本的な知識も深めましょう。
AIとRPAはコールセンターを救うか?
テクノロジーは、日進月歩です。
今日の知識が1か月後に100%通用するとは限りません。
常に最新情報を仕入れることができるネットワーク(人間関係)を持つことも重要です。
2020年、あらゆるコールセンターの事情を鑑みると、デジタル化の波がここから一気に来る気配があります。
単に
「波に乗り遅れないように!」
という考えでテクノロジーを導入すると失敗します。
適切な分野に適切なテクノロジーを導入することができれば、会社の利益率向上に大きく貢献することができます。
自社の商品・サービスをサポートするコールセンターとして、最も適したテクノロジーは何か?
を考えるには、現状のプロセスを熟知していることが大切。
とは言え、自社で業務のアセスメントをするのが難しい場合は、コンサルを入れて提案を聞くのも一つですね。