
人海戦術は昭和のオペレーション
コールセンター業界に長く勤務している人が陥りがちな考え方・・・
「いざとなったら、人をかき集めてさばきます!」
という、BPOコールセンター社の営業を今でも見かけることがあります。
もう、そんなのは昭和です。
長く同じ業界に居続けると、外の世界に起こっている変化に気づかないことがあります。
世の中は、グローバル社会における先進国は、どこまで機械化するか。
ということで、ビジネスの勝敗を決める時代です。
最近、職場の偉い人が、
「日本は100%オートメーション化したい!」
と、チームに檄を飛ばしていました。
100%は比喩ですが、それくらいの気持ち・・・
ということです。
なぜ日本のコールセンターに自動化が必要なのか?
なぜ、ここまで日本のコールセンター業務を自動化したいと思うのか?
まず第一に、人件費が高い!
ということです。
特に、コールセンターで働く人の人件費が高いです。
業界の人件費は、需要と供給のバランスで決まります。
つまり、コールセンター業界は、供給より需要が多く、より良い人材の取り合いなのです。
サービスを供給する側が人手不足であるにも関わらず、日本は世界でも屈指の品質にうるさい国。
顧客満足を得るために、対応するオペレーターの教育もかなり高いものを要求されます。
そのため、コールセンターやカスタマーサービスのマネージメントは、とっても大変な仕事へとスパイラルになっているのです。
コールセンター業務の何を自動化する?
そして、事業ごとにしっかりと考えるべきことは、
『何を自動化するのか?』
ということです。
事業の規模やタイプ、お客様のセグメントなどで、どの部分を自動化すると良いかは変わります。
自動化することで得られることは、効率化だけではありません。
うまく自動化をすることで、
顧客満足
や
従業員満足
も可能になります。
1)管理者の残業をなくすための自動化
まず、どんな事業でもおすすめしたいのが、管理者の残業をなくすための自動化です。
例えば、レポート作成。
多くのコールセンターで、電話業務が終わり、オペレーターが帰った後も残業して管理者が実施しているのが、レポート作成や納品作業。
毎日同じ作業を繰り返すのに、機械にやってもらわない手はありません。
全てのデーターを夜中に洗い替えをし、翌朝実績日報や分析結果として排出される仕組みは大切です。
コールセンターは、中間管理職も含めたモチベーション・アップ施策が重要!
定期的にチームで飲み会なども、離職率を下げる一つの方法です。
常に誰かが残業してレポート作成や納品作業をやらなければいけないと、なかなか飲み会やパーティーも難しいですよね。
そのような苦痛から社員を解放してあげましょう。
2)オペレーション・ミスをなくすための自動化
昨今のコールセンターは、どこも業務が複雑化しています。
研修でカバーするべきことも膨大。
周知やフィードバックを繰り返しても、オペレーション・ミスが多発というコールセンターは多いです。
そんな悩みがあるコールセンターは、オペレーション・ミスをなくすためのあらゆる自動化を考えましょう。
ミスがあると、前に進めなくなるシステムのロジックや、選択画面の順を追っていくと、オペレーションの手順が出てくるCRMシステムを構築・利用することでミスの削減のみではなく、研修時間の削減にも繋がります。
今どき、まだ紙のマニュアルをペラペラめくって操作とかはNGですね。
3)お客様がセルフ・サービスできる自動化
コールセンターに入ってくる問い合わせのうち、80%以上は
「仕方なく電話した・・・」
というのが、お客様の本音です。
お客様が困った時に、FAQページからセルフで解決できるオートメーションを考えることで、競争力がアップします。
サービスの解約やプランの変更などを人が対応するのは、ナンセンスです。
サービスサイトから簡単に解約や各種変更ができるだけで、コールセンターの人件費を大きくダウンできますね。
4)お客様フィードバック・データ閲覧の自動化
進んでいるコールセンターでは、お客様からのオペレーターへの評価も、各自のダッシュボードで確認することができます。
昨日の自分のサービスレベルが、お客様からの評価としてどうだったのか?
それがわかると、個々の改善やモチベーション維持に繋がります。
感謝の言葉なども、オペレーターのモチベーションをアップさせられますね。
さらに、VOC分析で、良くあるお客様のキーワードなどが簡単に抽出できると最高ですね。
オペレーターのアイデアを取り入れて!
自社のサービスにとって、どんな自動化が最も有効であるか・・・。
管理職やトップマネージメントより、オペレーター経験がある方が良いアイデアを持っています。
データ分析も大事ですが、お客様と日々接しているオペレーターの直観やアイデアは、大きなビジネスチャンスを内包していますよ。