
インバウンドコールセンターで管理する日次KPI指標
正社員に求められる数値把握のポイント①では、大局的なKPI指標についてお話ししました。
第2弾では、日々のコールセンター 業務管理の中で、効率を図るためのKPI 指標とその意味について、初心者でもわかりやすく解説したいと思います。
ポイント①でも述べたように、コールセンター では多くの人員が動き、多くのお客様からの問い合わせを受けるため、ちょっと気をぬくと、とんでもなく多額のコストを無意味に使っていたということが起こりかねません。
そのため、年間の予算から逆算して、月単位・週単位・日次単位と細かい単位で管理していく必要があるわけです。
そんな、日次KPI指標は、主にSVやリーダーがそれぞれの持ち場で担当しますが、もしあなたの担当職位がトレーナーやQA(品質管理者)であったとしても、KPI数値の理解をした上で自分の職務を考えると、あらゆる発見が可能となります。
そのためにも、日々のKPI 数値は確認して、数字に対する意識を高く持っておきましょう。
コールセンターに限らずですが、あらゆるビジネスシーンで、数字に対する意識が高い・低いは、あなたが組織でキャリアアップしていく上で、大きな大きな武器となります。
インバウンドコールセンターのKPI・その②では、効率を図るために重要となるKPI指標の基本知識について解説していきます。
オペレーションの効率を測定するKPI
まずは、オペレーターの効率を見る重要なKPI 指標について解説します。
AHT=Average Handling Time(アベレージ・ハンドリング・タイム)
コスト管理が重要なインバウンドコールセンター で、日々確認しないといけない1番の指標は、
AHT
= Average Handling Time
つまり、平均処理時間です。
これは、1件あたりの問い合わせにオペレーターが費やした時間数。
- 電話の場合
お客様とオペレーターのお電話が繋がり、話し始めてからオペレーターがそのコンタクトの結果をシステムに入力し終えて次のお客様を担当する準備ができるまでの全時間を測定します。
- メールやチャットの場合
お客様からのメールを受信ボックスから拾ってから(または、自動で割り当てあられてオープンしてから)返信を送信するまでの時間を測定します。
ACW=After Call Work(アフター・コール・ワーク)
電話の場合は、AHTをさらに細かくブレイクダウンして課題を見い出すためのKPI指標として、
ACW
= After Call Work
つまり、お電話を切った後の作業
を測定します。
コールセンター の運営方針により、ここが大きく分かれてきます。
イケてないコールセンター は、ここの数字が長いです。
業務改善・効率改善を図るときに、一番最初にここを潰しに行くことが大事です。
ポイントは、何のためにどんな情報を残すのか?
ということです。
私が過去コンサルしたコールセンター では、アフターコールワークの際に記載する画面のフォーマットを変更しただけで、ACWの数字が120秒から60秒へと3日で半減したという例もあります。
平均で60秒の削減ということは、1日に1000件の入電があるコールセンター であれば、
1000 × 60秒 = 60,000秒 = 約17時間
1000件入電のコールセンターとは、決して大規模ではなく、オペレーター20名前後の小規模コールセンター なので、そのレベルでも、2人分相当の時間が浮くわけです。
その2人は、実際にヘッドカウントがいらなくなるというコールセンターは、現実的にはありません。
なぜなら、常に人手不足だからです。
その分、今まで対応できなかったお客様の対応が可能になり、コールセンターの効率改善が、効果・成果に繋がるわけです。
効果に繋がる応答率の指標については、インバウンドコールセンターKPI・その③で解説します。