インバウンドセンター のKPI③_”待たされる”は、あるある?

正社員として評価されるには、”効果”の指標にも目を向ける!

インバウンドコールセンター運営に関わる全体の指標と効率を図る指標について、

インバウンドコールセンターのKPI・その①

インバウンドコールセンターのKPI・その②

で解説してきました。

その③では、効率と効果の両方に深く関係するKPI指標について解説します。

いくら、コスト削減のご時世とはいえ、お客様の満足を損ねてしまっては本末転倒です。

無駄を省いてコストを削減しつつ、お客様にはしっかり満足してもらうためには何ができるか?

ということを考えられるようになると、あなたのコールセンターでのキャリアアップは目の前です。

”お待たせしない”を追求する電話対応のKPI

「コールセンターに電話しても、なかなか繋がらない・・・。」

という経験をされたことはありませんか?

困ったことがあって電話しているのに、ずっと順番待ちになるコールセンターがあります。

「現在電話が混み合っております。このままお待ちいただくか、しばらく経ってからお掛け直しください」

という、機械アナウンスがデフォルトになっているようなコールセンターもあります。

コールセンターのマネージメントでは、

”お待たせしない”

オペレーションをいかに実現するかが成功の鍵となります。

そのためにも、

”どの程度お客様がお待ちになっているのか?”

ということを把握するための指標は、少なくとも毎日確認しましょう。

できれば、毎時間確認する担当のリーダーを配置するべきです。

AR =Answer Rate(アンサー・レート)

いかにお客様をお待たせしてしまっているのか?

ということを数値に表したものが、

AR=Answer Rate

日本語では応答率と呼ばれます。

応答率の計算式

オペレーターに繋がった入電数 ÷ コールセンターに入ってきた全入電数

で計算され、%で示されます。

Abandon Rate(アバンダン・レート)=放棄率

逆に、コールセンター に入ってきたのに、IVRの自動応答の間でお客様が待ちきれなくて切電されてしまった数を

放棄数と呼び、

放棄率の計算式

切電された数 ÷ 全入電数

で、計算された%表記となります。

放棄率は、外資系企業などでは、Abandon Rate(=アバンダン・レート)

と呼ばれることもありますので、日本語でも英語でも知っておくと便利でしょう。

応答率+放棄率=100%

算数として当たり前ですが、レポート上、応答率と放棄率の足し算は、100%となります。

応答率が85%であれば、

放棄率は15%です。

100件の入電があった場合、85件のお客様とはお話ししたが、15件のお客様はオペレーターに繋がる前に電話を切ってしまわれたということになります。

目指すべきインバウンドコールセンターの応答率

では、この応答率がどの程度が適正なのか?

それは、事業やサービス内容、サポート内容によっても適正な応答率は異なります。

アマゾンのように、限りなくお客様第一主義を目指す企業は、90%の応答率を目指しています。

一般的にそれが高いか低いかはわかりにくいと思いますが、応答率の100%は不可能な数字です。

時々、よくコールセンター のことをわからない経営者が、

「お客様からの電話は100%取れ!」

というようなことを言う人がいますが、根性論でコールセンターは運営できません。

100%の体制を揃えると、収益率が成り立たなくなります。

そして、時間帯によってはオペレーターが電話を待って手持ちぶさた、ということも発生します。

忙し過ぎるコールセンターもストレスを感じますが、暇すぎるコールセンターは、もっと辛いです。

暇すぎるコールセンターは、離職率も高いのが特徴です。

Eメールの応答率は?

基本的に、Eメールの応答率は、100%になります。

入ってきたEメールの問い合わせには、全て返信するような仕組みになっているのが通常です。

ですが、このEメールのお問い合わせも、効率を図る指標を設けているところがほとんどです。

電話のように放棄率は存在しませんが、企業によって、目標として何時間以内に回答を返信するか?

と言う目標を設けています。

2時間以内・6時間以内・8時間以内・24時間以内

などの時間セットの中から2−3種類の時間のKPI 指標を確認します。

例えば、

2時間と8時間の2つを設けているなら、問い合わせのあった全Eメール数のうち、

2時間以内に回答できたのは、20%

8時間以内に回答できたのは、90%

のような数値を測定します。

この場合、8時間以内の数字に2時間以内も含まれます。

そして、8時間以内に回答ができず、それ以上にお待たせしたのは10%となります。

Eメールの応答率低下が電話応答率の低下を招く!

Eメールは、電話に比べ、回答まで時間の猶予があるので、優先度を下げてしまいがちですが、Eメールで問い合わせをしたお客様がなかなか回答が返ってこなかったら、どういう行動を取るでしょうか?

イライラして、電話をする!

そして、電話の入電が増え、電話の対応に人を回さないといけないので、余計にEメールの対応が遅れて積滞する・・・

マイナスのスパイラルに陥ります。

それだけで済むならいいのですが、昨今では、SNSでの書き込みという恐怖もあります。

「問い合わせしても、全然返事こない!」

「俺のメールは絶対無視されている!」

などがツィッターで書き込まれます。

普段の数値管理と早めの手打ちで、このような事態を防ぎましょう!

インバウンドコールセンター の第4弾では、顧客満足度のKPIについて解説します。

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