インサイド・セールスは、コールセンター事業?
最近、よく耳にするようになった『インサイドセールス』。
これは、コールセンターの仕事に属するのか?
いったいどういう仕事なのでしょうか?
インサイド・セールスがコールセンター事業やコールセンターの仕事として明確にカテゴリーされているかというと、まだ世間的には認知度が低いかもしれません。
ですが、その仕事は、セールス・アウトバウンドセンターの進化系という表現がぴったり来るかもしれません。
インサイド・セールスの仕事範疇は、企業によっても微妙に違いがありますが、電話を使って営業をする仕事であることは一律同じ。
一般的なコールセンター事業で見られる『アウトバウンドセンター』は、主にBtoC(一般消費者向けの商材を取り扱う事業)が多いのですが、この『インサイド・セールス』は、主にBtoB(法人向けの商材を取り扱う事業)が主流です。
コールセンターを活用したBtoCとBtoBビジネス
そもそも、BtoCやBtoBがわからない人のための補足です。
BtoCは、Business To Consumerで、個人の消費者が購入する商品によるビジネスです。
コールセンターからのアウトバウンドで販売されるBtoCの商品には、
化粧品
健康食品
携帯電話回線
保険商品
金融取引
高級食材
などがあります。
「あ、そんな電話の勧誘、かかってきたことあるなぁ」
と、覚えがある人が多いはず。
それに対して、BtoBの商品は、一般の消費者にはなじみの無い企業向けの商品です。
最近多いのが、システムのソフトウェア系のセールス。
マーケティングなどのツール系が多いですね。
このような商材は、月に5万円程度の商材から、年間数億円の大型のシステムまで様々です。
このような法人を対象にした営業をBtoBビジネスと言います。
BtoBビジネスにおけるインサイドセールス
そして、このBtoBビジネスで営業の役割を担う部隊に、『インサイド・セールス』と呼ばれる役割の人たちがいます。
”インサイド”というだけに、基本的にはオフィスの中から営業します。
そのため、ある意味コールセンターのアウトバウンドセンターに近いスキルが求められます。
これは、フィールドセールス(外回りの営業)の能力を有効に使うため、従来は営業マンが自分でお客様にアポを取って、そのお客様に訪問していたというスタイルから、角度の高いお客様の見極めを別部隊で実施するという観点でスタートしています。
マーケティングチームが、広告やイベントによる興味づけをしたクライアントに対し、営業がアプローチをするわけですが、もちろん、角度の高いお客様や冷やかし程度のお客様まで玉石混合のリードが存在するわけです。
優秀な営業マンが商談に集中できるように、このような見込み顧客の角度を精査したり、逆に電話やメールなどで、興味やニーズを喚起して角度を上げる役割をするのが、『インサイド・セールス』チームの役割というわけです。
マーケティング領域と営業領域の間にあるポジション
そして、仕事内容としては、マーケティング領域と営業領域の間に位置するポジションであることが多いです。
企業によって、マーケティング色と営業色のどちらが強いインサイド・セールス部隊であるかは多少違います。
昨今のソフトウェア販売などでは、ウェブ広告やリタゲ、MAツールなどを使って興味づけをすることが多く、インサイド・セールス部隊が一部マーケティング的な動きを担う場合もあります。
そして、興味を持っていただいたお客様には、フィールド営業(=外回りの営業部隊)に繋ぐためのアポイントまでを実施するというのが主流です。
従来のマーケティングx営業からの変化を、図で説明すると👇のようなイメージですね。
クロージングまでする『インサイド・セールス』も!
また、外資系のソフトウェア事業者では、月々5万円程度で利用できる中小規模向けの単価の低いツールから大手企業の基幹システム向けのソフトウェアまで幅広く商品を取り扱う場合があります。
そのような企業では、小口の取引は、訪問営業は行わず、すべて電話やウェブ会議で完結して遠隔でツールの購入・ダウンロードまで促進します。
インサイド・セールスは、営業のクロージングまでを行いますので、基本給以外にも出来高によるインセンティブ・ボーナスを支給されるということが多いです。
電話営業のセンスを活かして、大きく稼ぎたい人には、面白い仕事ですね。
過去にアウトバウンド・センターで成果を出した経験がある人であれば、チャレンジのしどころです。
インサイド・セールスにはどんなスキルが必要?
インサイド・セールスは、先にも述べたようにBtoCのビジネスとなります。
そのため、企業対企業の営業であることを認識しましょう。
電話セールスと言えど、電話口の相手は、部長クラスの人や役員クラスの人が出られることもあります。
話し方やボキャブラリーもそれなりの知性が必要です。
扱う商品の金額が、BtoCとは当然違いますから、平均的には決定までに時間がかかります。
根気強く営業する力も必要です。
商品もソフトウェアやマーケティング・ツールなど最新技術のものが多いですから、新しいテクノロジーに対する勉強が必要です。
企業によって扱う商品も違いますし、日進月歩で進化する業界でもありますから、新たな知識を覚える力が必要です。
さらに、マーケティング部門やフィールド部門との連携やインサイド・セールス内でのノウハウの共有などチームワークも重要なポイントです。
上記のようなスキルは、やっているうちにも身に付きます。
新しいチャレンジをしてレベルアップしたい人には、お勧めの職種ですね。