CXとは?
最近、コールセンターで良く耳にするのが、
”CX”
という言葉。
CXとは、Customer Experience(カスタマー・エクスペリエンス)の略で、直訳すると、
”顧客体験”
という意味です。
このCX=顧客体験とは、お客様が企業の商品やサービスに最初に触れたところから始まります。
ですので、CXは、コールセンターだけの用語ではなく、むしろマーケティングや事業戦略全体に関わるトレンド用語です。
基本的に、CX(顧客体験)は、広告やTVコマーシャル、口コミなど、該当の商品やサービスの存在を知るところからスタートします。
広告やTVコマーシャルでは、その企業のカラーやブランドイメージが重要です。
例えば、旅行サイト一つとっても、一休ドットコムと楽天トラベル、じゃらんなど、それぞれ違うブランド・イメージですよね。
それは、それぞれが違う顧客ターゲットを持っているからです。
自分たちの商品のユーザーは、どんな地域に住んでいてい、どの年齢層で、性別はどちらが優勢で、どういうライフスタイルを持っている人なのか?
ということを明確にしてブランド・イメージを決めています。
そして、顧客が自社の商品やサービスと最初に出会う”顧客体験”をどんなものにするか?
を重視する時代となってきました。
ネット時代がCXの重要性を高めた!
理由は、インターネットの発達により、お客様の選択肢が広がったこと。
そして、商品購入の前に、ほとんどの顧客がネット検索をするという時代になったからです。
インターネットの世界では、対面セールスと違って、自社の商品やサービスにどんな印象を持たれたのか?
が、わかりにくいです。
過去の時代では、営業マンが肌で感じるリアクションが、次の戦略に活かせたのですが、ネットの時代は、お客様との直接接点が激減しています。
そのため、ウェブ広告やTVコマーシャルなどでお客様がどんな印象を持たれるのか?
ということを考える必要性が増してきたと言えます。
顧客接点の最後の砦がコールセンター
そんな流れの中、コールセンターは顧客接点の最後の砦となっています。
ここだけが、お客様の直接の声を聞ける場所となっている企業は多いですね。
それだけ、コールセンターにおけるCXが重要になっているとも言えます。
コールセンターのオペレーション品質が、それまで、お客様が良いイメージを抱いていたブランドに傷をつける可能性もあります。
逆に、サービスに良くない印象を持っていたお客様が、コールセンターの対応一つで、その企業のファンになることもあります。
特に、テクニカル・サポート系やカスタマーサービス系のコールセンターは、いわば企業の”ゴール・キーパー”です。
私が、カスタマーサービス系のオペレーターやリーダーを指導するときに、
「みなさんは、この会社のゴール・キーパーだと思って仕事をしてください。」
と、お話しています。
この意識を持つだけでも、品質は向上します。
人は、自分のしている仕事にいかに高い価値を見い出せるか?
で、やる気が全く違ってくるのです。
ゴール・キーパーとしてのコールセンターがCXを向上させる!
ゴール・キーパーは、どんな役割をするのでしょうか?
最終的に来たボールをゴールさせないように阻止するには、来たボールを止めるだけでは無理です。
最も動く範囲が小さいゴール・キーパーは、全体の試合も俯瞰してみることができます。
誰の動きをどうすれば、もっと良い結果に繋げられるか?
を知ることができるわけです。
コール・センターのオペレーターも、
「もっと、こうすれば、お客様が喜ぶのではないか?」
「この商品の人気の秘訣は、ここなんだ!」
ということを知ることができます。
感じたことを自分だけのものにしていてはもったいないんです。
会社にお客様の声として提案できるようになると、コールセンターの仕事はもっと楽しくなってきます。
そして、更に、最初の顧客体験から見直す手助けにもなり、会社全体としてCXの改善が可能になるのです。
建設的なフィードバックは、どんどんしていきましょう!