
理解=共感ではない!コールセンタークレームのコツ!
前回、クレーム対応の基礎的なステップをご説明しました。
☞ 電話クレーム対応の基礎知識。4つのステップをおさえて炎上防止!
その4つとは、
- 当事者意識をもって、会話をする。
- お客様の気持ちを理解する。傾聴する。
- 要望を的確に理解する。
- 解決策を提示する。
でしたね。
この4つのステップの中の
”お客様の気持ちを理解する。傾聴する。”
という部分について、もう少し深堀りしておきましょう。
まずは、ここの『理解する』というところ・・・。
コールセンターの基礎研修でよくある『共感する』と勘違いされがちですが、理解と共感は別物です!
コールセンターの管理者やトレーナーは、ここの違いをしっかり認識しておきましょう。
『共感』すると、メンタル・ヘルスに注意!
そもそも、電話で話をしている場合、対面のクレームよりお客様が感情的になりがちです。
行き過ぎた感情に共感しすぎると、メンタルが痛みます。
お客様の主張や、何についてお怒りなのか、ご用件を”理解”することは重要ですが、いちいち共感していては、体がもちません。
特に感情的になっているお客様との対応では、要注意です。
『共感』によるコールセンター・クレームの勘違いと炎上!
そして、安易に全面的共感を示してしまうと、後々
「最初に出たオペレーターは、私の要求に同意してくれた!」という言いがかりになりかねません。
同意や謝罪をするときは、部分承認、部分謝罪を心がけましょう。

配送に時間がかかってしまって申し訳ありません。
お時間がかかってしまったことをお詫びいたします。
商品が期待に添えず、残念なことでございます。
傾聴できているとエスカレに発展しない!
「話がわかる人間に代われ!」
というのは、良くある例ですが、そのほとんどのケースが
「話をちゃんと聞いてくれて、要求を理解してくれる人に代わってほしい」
というものです。
経験の少ないオペレーターですと、パニックになってしまったり、正しい回答を探すのに時間がかかってしまうことにより、クレームを炎上させ上司へのエスカレに発展してしまいます。
苦情のほとんどは、本来オペレーターの一次処理で終われることが多いのですが、知識不足、研修不足、経験不足であるために炎上させてしまうのです。
クレームとクレーマーを区別する!
大切なことは、オペレーターが一次対応で鎮火できなかったお客様の怒りなのか、単なるクレーマーなのかを見分ける必要があります。
オペレーターの対応が長引いていた時は、すぐにチームリーダーやSVがモニタリングに入って、正当なクレームとクレーマーを見分けるジャッジをしましょう。
クレーマーとして位置付けるには、相手の要求内容と態度をジャッジする必要があります。
社内で、どこまでの要求を受け入れるのか、どこからをクレーマーとして線引きするのかをあらかじめ決めておきましょう。
下記の線引きは、あくまで例です。
- 「バカ」「死ね」などの暴言をはく
- オペレーターを解雇しろと要求する
- 「俺の時間を返せ!」など、物理的に不可能な要求する
- 商品の金額から考えて法外な返金を求める
- 執拗に謝罪に来ることを要求する(一時的な感情で言っている場合は除く)
- 責任者や社長名での謝罪文を要求する
- 利用規約の範囲外で弁償を求めてくる
- 明らかに泥酔していて、同じ話を繰り返す
- セクハラ的発言がある
- ネットに出すぞ!と脅す
- 今からそちらに行くと脅す
線引きは、提供しているサービスや商品によっても微妙に異なりますが、セクハラや暴力的な発言は断固お断りをすることが必要です。
そのような時に、はっきりとした意思は、誰がどのように伝えるのか?
ということも、社内で決めておくとよいでしょう。