
長引く『新型コロナウィルス』対策!
新型コロナウィルスは、政府の必死の努力で大流行にはまだなっていないものの、まだまだ予断を許さない状況です。
イベントの相次ぐ中止や旅行のキャンセルなど・・・。
オリンピックでさえも開催が危ぶまれていますね。
こんな時でもコールセンターは、その対応に大忙しです。
大掛かりなイベント中止があれば、そのチケットの払い戻しやスケジュールの変更など、一人一人のお客様への対応が求められます。
企業もテレワークへの本格的な取り組みを始めざるを得なくなってきました。
日々、テレビでも、テレワークの実態を紹介しています。
コールセンターのテレワーク化が遅い日本・・・。なぜ?
日本のコールセンター事業におけるテレワークは、諸外国に比べ遅れをとってきました。
アメリカなどは、10年以上前からテレワークの導入が進んでいますが、日本という国は、新しい事への取り組みに腰が重いのが実情です。
管理体制やセキュリティー担保の問題など・・・。
リスクに対する意識が強いため、なかなか踏み切れません。
また、昭和生まれの経営者は、基本的に頭が固い。
「自宅で仕事なんて、さぼるだろう・・・。」
という、性悪説が基本スタンス。
私自身、テレワークの環境で働くようになって10年近くですが、自宅で仕事をしている時の方が時間当たりの生産性が高いと思っています。
余計なおしゃべりをする相手がいないため、集中できるのです。
私の部下などにも在宅をするメンバーがいますが、非常に高いパフォーマンスを発揮してくれているケースがほとんどです。
今は、コロナウィルスの影響のため、派遣社員の方にもテレワークをお願いしていますが、成果物の精度に何ら問題はありません。
同一労働・同一賃金xコロナ対策テレワークで変化・変容!
折しも、4月から『同一労働・同一賃金』制度が始まります。
この直前で新型コロナウィルスが流行したのも、神の思し召しでは?
と思ってしまいます。
コールセンターのお仕事は、細かいKPI指標で個人のパフォーマンスを管理できる仕組みになっています。
業務を習得したオペレーターであれば、テレワークを実施しても、本人が行き詰るような課題は少ないでしょう。
パフォーマンスに応じた成果報酬を導入すれば、企業側も働き手もハッピーですよね。
通勤という面倒がなくなるため、コールセンターのピーク時間に合わせた働き方を実施してもらうことも可能です。
多くのコールセンターでは、企業のお昼休み時間と夕方以降の時間に問い合わせピークの山がやってきます。
この忙しい時間だけを自宅からテレワークで実施できる人材がいれば、かなりコストパフォーマンスの良いコールセンター運営が可能となります。
テレワークに必要な準備とは?
とは言え、
「じゃあ、明日から全員テレワークに!」
というのは難しいでしょうね。
では、どんな準備が必要でしょうか?
個人情報セキュリティーの担保
一番の難関は、個人情報セキュリティーの担保です。
多くのコールセンター業務は、Ⅼ3レベルと呼ばれるセキュリティーを担保した部屋で業務が実行されます。
L3レベルでは、
- 私物を持ち込めない部屋
- 入退室のログ管理を設置
- 入退室のビデオ撮影
- パソコンのUSBなど外部機材の利用不可
- インターネットへのアクセスの制限
- 定期的な監査の実施
などの制限がされています。
つまり、その部屋で業務する人が、個人情報をその部屋以外に持ち出せない仕組みがあるわけです。
テレワークをする在宅エージェントにも、個人情報を保護するための仕組みを構築することが必要です。
具体的には、
- ログ管理できる会社パソコンの貸与
- インターネットアクセスの制限
- VPN接続によるアクセス
- 不正なアクセスの監視システム
- カメラ撮影による監視
など。
個人情報保護に対する教育
また、各コールセンターでは必ず実施する、個人情報保護に関する教育システムも見直しが必要となります。
どこのコールセンターも、個人情報保護に関する教育プログラムを定期的に実施しています。
テレワーク向けの教育プログラムについて、内容や実施頻度の見直しをして、ガイドラインを作成する必要があります。
また、問題が発生した時の対処方法やエスカレーションのフローも事前に決めておくことが重要です。
テレワークをするエージェントへのフォロー体制
そして、忘れがちなのが、在宅で仕事をするオペレーターへのフォロー体制です。
テレワークは便利な反面、人と接することが少なくなるため、疎外感を感じる人も中にはいます。
自分がやっている仕事が会社の役に立っているのか?
仕事ぶりを誰か評価してくれるのか?
社内における新しい情報から乗り遅れてないか?
という不安を感じる人もいます。
テレワークをする人にフォローの1:1ミーティングを定期的に実施するリーダーの設置や、わからないことを質問できる窓口となるSVなどの体制をきちんと決めておきましょう。
これを機に、テレワークへの一歩を!
いくつかのハードルを越えないといけないので、このような事態になる前に本来は準備しておくべきだったでしょう。
ですが、今の教訓を今後に活かすためにも、コールセンター現場はテレワークへの実現に向け、新たな一歩を踏み出す時だと思います。